中分子IT創薬研究推進体(MIDL)の目的は、これからの創薬を大きく変える技術として期待されている中分子創薬(ペプチドや核酸などを活用した創薬)の発展を加速するため、東京科学大学が保有する情報・物理・化学・生命などの幅広い理工学分野の英知を、組織の枠を越えて結集し、産業界等との連携を十分に活用しながら、迅速で効率的な中分子創薬のフローを作りだすことです。

具体的には、スパコンを用いた大規模な中分子シミュレーション、大量データからの機械学習、独自の人工核酸ライブラリや核酸スクリーニング技術、未知標的分子の同定技術などを我々は保有しており、民間企業等との共同研究等がそれぞれ進展しているとともに、公的な研究プロジェクトにも参加しています。なかでも重要なプロジェクトとして、文部科学省地域イノベーション・エコシステム形成プログラム「IT創薬技術と化学合成技術の融合による革新的な中分子創薬フローの事業化」(東京工業大学・川崎市、平成29年度~令和3年度)には、メンバーの総力を挙げて取り組みました。

中分子IT創薬研究推進体(MIDL)は、東京科学大学における独自の組織である「イノベーション研究推進体」の一つとして、平成29年9月に設置されました。情報理工学院、生命理工学院、環境・社会理工学院などの学内組織から教員が集まり、まさに組織や分野を越えて新しい創薬技術の流れを産みだそうとしています。MIDLは、学内の壁を越えるだけではなく、産業界や他の研究機関に対しても開かれた組織です。一緒に中分子創薬に取り組もうという方々からの積極的なお声掛けをお待ちしております。

中分子IT創薬研究推進体 研究代表者
情報理工学院 教授 秋山 泰